最近、多くのメディアが注目する「終活」について、皆さんも聞いたことがあるでしょう。
終活は家族に負担をかけないように準備を進める活動として知られていますが、具体的に何から始めればいいのか、どのような効果が期待できるのかを知らない人も少なくないです。
この記事では、終活について興味はあるけれどどう進めればいいのかわからないという方向けに、終活の目的、必要な準備、そして注意すべき点について詳しく説明します。
終活とは？目的と意義を理解する
終活は、「人生の終末に向けて準備する活動」と定義されますが、その内容は人それぞれで違います。
一般的には、遺産相続や遺品整理の計画を立てたり、自身の人生観やこれまでの経験をまとめることが含まれます。
終活を始めるかどうかは個人の判断によりますが、多くの人が次のような目的で終活に励んでいます。
老後を豊かに過ごすための不安解消
多くの人が「終活」と聞くと人生のエンディングに関連する準備を思い浮かべるかもしれませんが、終活は必ずしもそうではありません。
実際には、残りの人生をいかに充実させるかを計画し、老後をより豊かにするための活動でもあります。
例えば、以前は時間がなかったことに挑戦したり、新しい趣味を見つけたりするのも終活の一環です。
さらに、老後を安心して過ごすためには経済的な準備も欠かせません。資産を形成し、経済的な不安を取り除くことも終活の大切な部分です。
家族への負担軽減のために
誰かが亡くなった際、遺族は葬儀の手配、墓地の準備、遺産の分割、遺品の整理といった多くの手続きを余儀なくされます。
これらの作業には、連絡を取るべき知人のリスト作成、葬儀社との調整、資産の把握、遺品の分類など、煩雑なステップが含まれます。
故人にしか分からない情報が必要となることもあり、準備がなければ家族は各所を走り回ることになります。
終活を行い、エンディングノートに重要情報をまとめておくと、必要な連絡先や資産の状況をすぐに確認できるため、家族の負担を軽減できます。
家族間の争いを避けるために
遺産相続に関する争いは珍しくなく、時には裁判にまで発展することがあります。
自分が亡くなった後に家族が争うことは避けたいものです。
終活を進め、財産の相続方法や分配計画を予め定めておくことで、相続を巡るトラブルを防ぐことができます。
終活の準備のための4STEP
終活に厳密なルールは存在しませんが、計画なしに進行すると、余計な時間や労力がかかることがあり、大事な情報の残し忘れのリスクも高まります。
終活をスムーズに進めるために初めに行うべきことは、以下の4つのステップです。
STEP2.体の自由が利かなくなった時の希望を記録する
STEP3.葬儀の規模について決める
STEP4.エンディングノートを用いる
これらのステップについて、詳細を以下に説明します。
STEP1.個人の持ち物を整理する
年月が経つにつれて、日用品だけでなく、趣味のアイテムや思い出の品など、多くの物が家に溜まっていきます。
これらの物を分類し、整理する作業は単純ではなく、多くの時間と労力を要します。
遺品整理を業者に依頼することも一つの選択肢ですが、アイテムの量が多い場合、費用が増大し、家族に負担がかかることも考えられます。
終活を効率的に進めるためには、生前に必要なものと不要なものを選別し、徐々に断捨離を行うことで、亡くなった後の遺品整理の負担を軽減できます。
STEP2. 体の自由が利かなくなった時の希望を記録する
高齢になると急に体の自由が利かなくなり、時には意思疎通が難しくなることもあります。
そのような状況に備えて、かかりつけ医の情報をはじめ、どのような提案を受けたいかを事前にまとめておくと良いでしょう。こうしておけば、万が一の時に家族がスムーズにあなたの意向を各機関や施設に伝えられます。
また、健康保険証や保険証券の保管場所を記録しておくことで、もし意識をなくして運ばれた場合でも、手続きがスムーズに行えます。
STEP3. 葬儀の形式を検討
葬儀は、大規模な「一般葬」、親族中心の「家族葬」、そして通夜や葬儀を行わない「直葬」と、そのスタイルは多岐にわたります。
一般葬は最も規模が大きく、費用も多くかかるため、どのタイプの葬儀を行いたいかを事前に決めておくことが大切です。これにより、必要な手配をスムーズに進めることができます。
STEP4. エンディングノートを使う
エンディングノートは、亡くなった後に家族に伝えたいことをまとめるノートです。
内容は自由に決められますが、以下の情報を記載することが推奨されます。
● 交友関係（訃報を伝えるべき人々の詳細）
● 遺品やデータに関する情報（譲りたいもの、処分すべきもの）
● 資産に関する情報（貯金、不動産、借金など）
● 葬儀・墓地に関する情報（希望する葬儀のスタイル、葬儀社の連絡先、予算など）
● 体の自由が利かなくなった時の希望
エンディングノートを使用することで、必要な事項を漏れなく記録でき、亡くなった後の手続きがスムーズに進むでしょう。
終活の手順と重要な視点
終活を進める上で注目すべき三つのポイントをここで共有します。
2. 前向きな生活設計を行う
3. 家族との対話を大切にする
これらのポイントについて詳しく説明します。
1. デジタルデータの整理を忘れずに
終活で考えるべきは、物理的なものだけではなく、デジタルデータも含まれます。パソコンやスマートフォンに残された情報もしっかりと整理することが重要です。
相続や財産に関わる重要なデータは保持し、プライベートな情報は事前に削除しておくべきです。さらに、サブスクリプションサービスのアカウント情報も、エンディングノートに記録し遺族に伝えておくことが大切です。
故人が去ったあともアカウントが使われ続け、家族がそれを知らずに料金が発生し続けるトラブルを避けるためです。
2. 前向きな生活設計を行う
終活は家族の負担を減らすためだけではなく、自分自身のためでもあります。残りの人生をどのように過ごすかを考え、家族や友人への感謝を込めて計画を立てましょう。
楽しみながら準備を進めることで、人生をより豊かにすることができます。自分の趣味や新しい挑戦を楽しむ計画を立てることが、充実した時間を過ごす秘訣です。
3.家族の意見を活かす
葬儀や相続の問題は、個人で決定すると後々のトラブルに繋がる可能性があります。
個々の意向も重要ですが、終活を進める上で、家族との話し合いを重視し、彼らの意見や提案を取り入れることが大切です。
終活についてのまとめ
終活は、自分の人生の終末期に向けて準備する重要な取り組みです。
これにより遺族の負担を軽減できるだけでなく、自身の残りの人生をより良く生きるための方法としても効果的です。
エンディングノートを用いて、自分の今後や葬儀に関する希望を整理しておくことが推奨されます。
